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6月のどくしょまとめ! 

07 01 *2011 | にちじょう::ほんやまんがのこと

6月は後半にぽっかりと『なにも読みたくない病』がやってきてこまりました……。図書館で借りてきた本にも手をつけず。
すごく待ってた本だったので、どうにか読まないととはおもいつつも、なんか今、カツジなきぶんじゃありません。

そんななか、7月のおたのしみは、『文芸あねもね』
若手女流作家さんたちのアンソロ同人誌です。

そして同人誌とはいえ、豊島ミホが2年ぶりに復活です復活です復活です;;
おれのなかでは超祭。
みほ! みほ! (とびはね)
豊島ミホふっかつのニュースを聞いて、ガチ涙ぐみましたもの……。すき。

恋愛ごっこもすごいらしいけど(まだ未読だからなんともいえない)(手元にはある)、文芸あねもねマジすごすぎる思います。

しかもアレです。

『全 額 寄 付』


ん? あねもねのまえにも、某あんそろでこういう話ちょっと聞いたことあるような^^ 
ま、それはさておき。

創作の力で、にっぽんに火を灯す。創作を欲する力で、にっぽんに火を灯す。
自分にできることで、ちからになる。すばらしいことだとおもいます。

なぁ、おれら、暗いニュースを連日見て、きいて、4ヶ月前、絶望のなかにいなかったか? そして、今も絶望のなかに置き去りにされてる人もいる。
でも、ちょっとずつ力取り戻しつつある。

今からもお金はいるから!!

だから、みんなあねもねを買おう。きっとおもしろいです。
それから某あんそろも買おう。きっとおもしろいです。

*** *** ***


6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3697ページ

光待つ場所へ光待つ場所へ
★★☆☆☆ 初辻村作品。スピンオフものだったのかと驚いたけれど、元の作品を知っていたとしても評価はしないだろう。この人の書き方が苦手なのか、誰が重要人物なのかわかりにくい。ただ、自意識過剰でしんどい思いをしている人間の心理はとてもよくあらわされていた。こういう部分がある自分としては、目を背けたくなる部分も多々。おおむね評価が良いようなので、この作家の作品をほかにも読んでみようとは思う。時間があれば。
読了日:06月27日 著者:辻村 深月
さよならドビュッシーさよならドビュッシー
★★★★☆ なるほど! 最初からずっと感じていた違和感はここにつながったのか。思わず膝を打った。フタをあけてみればどうしてこれに気づかなかったのだろうというくらい単純明快な古典的オチ。しかしここに気づかなかったのは一人の少女の成長譚に夢中になってしまったからだ。あと、文章のなかから音が立ち上がってくるようなリアリティを見せられた。小説は嘘の世界だからこそ、よりリアルに感じるのだとあらためて実感。つっこめばいくらでもつっこめるが、世界観に圧倒された。ラストは切なくて、それでも爽快だった。
読了日:06月27日 著者:中山 七里
小さいおうち小さいおうち
★★★★☆ 読み終えたあとこの表紙をながめかえすと、胸のうちに、あの瑞々しくまぶしい時代が蘇る。小さいおうちで紡がれた宝物みたいな日々が、この丸い窓のなかに集約され、凝縮され、幸せは永遠に一枚の絵のなかに閉じ込められたのだ。丸窓のなかで寄り添い手をつなぐ二人の関係や、主人公の思慕に名前をつけてはならない。時代をかさね、人が去り、人が人を忘れ、風化しそうな戦争の時代をあとの人が物語のように感じるときが来ても、この人たちが生きた幸せな時代はたしかに存在したのだ。よい話だった。
読了日:06月24日 著者:中島 京子
ビロウな話で恐縮です日記ビロウな話で恐縮です日記
★★★☆☆ 掛け値なしにおもしろかった。モノカキというのは、たんなるブログ記事さえも売り物にできるレベルなのか、と感嘆した。とことんBL属性がない自分ですら、三浦さんが説得力じゅうぶんに語るBLまんがや小説はぜひ、読んでみたいと思ったし、既読の漫画作品の所感を読めば『まさにわたしもそう思ってた!』と膝を打ちたくなった。日常も愉快だ。モノカキの柔らかい視点と、小出しの赤裸々感が好ましく、あっという間に読み終えた。三浦さんのエッセイも読んでみようとおもう。
読了日:06月17日 著者:三浦 しをん
わたしの彼氏わたしの彼氏
★★★★☆ ゆるくてもぼんやりしててもかまわない。『ただしイケメンに限る』。4人きょうだい、末っ子だけ男子、そしてイケメンだったら、主人公鮎太郎のような人間ができあがるのだろう。悪意がなく、主張せず、女の人にはぜったい服従。だから、悪いオンナがどんどん寄ってくる。彼はこれからも、いろんな女の彼氏になりつづけるのだろう。『わたしの彼氏』は、わたし(ささたま)自身の彼氏でもある。鮎太郎は、どんな女の彼氏にもなってくれるのだ。女たちの傍若無人な振る舞いにはイライラしたが、好みの物語だった。
読了日:06月15日 著者:青山 七恵
タイニーストーリーズタイニーストーリーズ
★★★☆☆ アドベントカレンダーみたいな一冊。21のちっさいお話は、どれもこれも違った味で、どんな味のお菓子が出るかはあけてみるまでわからない。一ヶ月に4本の短編という偉業にチャレンジして出来上がった一冊だそう。めまぐるしく変わるテンポやトーンに落ち着きのなさをかんじはしたけれど、これをひとりの作家がやっていることかと考えたらソラおそろしくなった。ただし、エイミーポンポコリーノ系(@岡崎京子)のストーリーにはやはりなじめない。あと、アメリカンすぎる食べ物描写も、ちょっと合わなかったかな。
読了日:06月12日 著者:山田 詠美
花の鎖花の鎖
★★★☆☆ ちょうど半分まで読んだところで花の鎖たちはつながった。あざなう縄のように、たったひとつの点に向かってゆく物語。しかし、どう展開していくのか予測もつかず、六章にて話が終点に到達したときにはため息がでた。花の鎖は、けっきょくK家の自己満足の償いに付き合わされただけだったのか。そのなかにあって、凜と生み、育てた母の強さはすばらしい。願わくば『花』が、彼女らのように強く凛々しく世のなかをわたってゆけますように……。今度は母たちのような因縁なく、彼女たちのぶんまでも幸せな日々を過ごせますように。
読了日:06月10日 著者:湊 かなえ
和菓子のアン和菓子のアン
★★★☆☆ ほっこり平和なプチミステリー。ちょっと太めのアンちゃんが選んだバイト先はデパ地下高級和菓子店。個性的な上司、同僚、はたまたお客様たち。のんびりほっこりまったりと過ぎる、1年のお話。お菓子に秘められたいろいろの思惑や謎かけをも楽しかった。両手放しで『いい!』とは言わないけれど、たまにはこんなスイーツなお話も悪くない。主人公のアンちゃんがさっぱり系のぽっちゃりっこで可愛かった。話を楽しむと言うより、キャラを楽しんだってかんじだった。あと、お仕事がんばりたい気持ちにもなった!
読了日:06月09日 著者:坂木 司
東京日記3 ナマズの幸運。東京日記3 ナマズの幸運。
★★★★☆ ほんとうのことを書けば嘘におもえる。嘘を書けば、まことに思える。不思議な不思議なカワカミさんの日常。この人の目線が好きだ。少女のように道ばたに目を留めたかとおもうと、80を越えた老女のように空を見上げる。51歳(執筆当時)という年齢をまったく意識させないやわらかい語り口。自分もいつか、こういう日記を書いてみたいと思わせられる。読書メーターを始める前によんだ『機嫌のいい犬』という俳句集もひじょうによかった。こんな目をもって世の中をみたら、どう見えるのだろう。きっと、世界はふしぎできれいだ。
読了日:06月08日 著者:川上 弘美
モップの精と二匹のアルマジロ (ジョイ・ノベルス)モップの精と二匹のアルマジロ (ジョイ・ノベルス)
★★☆☆☆ ある程度は展開が読める(疑わしき人が抱えていた問題までもはわからなかったにしろ)ライトなミステリー。ストーリー性重視で、ミステリー部分はツメが甘い。だけど、これはこれでいいと思う。
読了日:06月07日 著者:近藤 史恵
薔薇を拒む薔薇を拒む
★★★★☆ 世間から孤立しきったような館で、世間から孤立しきったような人たちが身を寄せ合うように過ごす数ヶ月の話。ミステリーとして評価すれば、犯人や動機はありきたりであっけないと思わせられたが、そこに到達するまでのストーリーが抜群だ。主人公が最後に手に入れた幸福を考えると、とびきり切なくて恐ろしい。主人公はなにひとつ悪くなかった。誠実に生きた。なのにそこはかとなく感じる恐怖はなんなのだろう。彼は紙一重で、狂っている。
読了日:06月04日 著者:近藤 史恵
乙女の密告乙女の密告
★★★☆☆ 京都の外語大で繰り広げられる、時代レスな『乙女たち』の物語。京都という街がもつ、特有の閉塞感と、アンネの日記のイメージがよくつながった。『乙女として振る舞わなければならない。なぜなら、わたしは乙女であるから、乙女でなければならないのだ』がんじがらめの自意識のなか、他者が自分に烙印をおす。『この人は乙女にあるまじき行為をはたらいた』密告者が振りまいた身に覚えのない噂のなか、みずからの潔白を証明できるのか否か。個性的な人々のなかで揉まれながら、彼女は、乙女としてきっぱりと、自立したのであった。
読了日:06月03日 著者:赤染 晶子
放課後はミステリーとともに放課後はミステリーとともに
★☆☆☆☆ キャラ設定が謎ディナよりマシだったので★一個つけた。でもボクっこがいいわけでもない。あいかわらず、事件の全貌、および動機が第三者の憶測によって語られるスタイルで、小学生向けのなぞなぞ本っぽさはかわらず。最後のあたりは退屈で、まじめに読み込まなかった。この人の小説スタイルは、わたしには合わないようだ。もしかして、こういうスタイルはこの2作だけ? ほかのものも読んでみるべきだろうか?
読了日:06月02日 著者:東川 篤哉

読書メーター

20:36 [Comment:0]

4月 読書のきろく

05 01 *2011 | にちじょう::ほんやまんがのこと

読書メーターっていうのを4月からはじめてます。
記録つけられるみたいなのでつけておきます。

うーむ。さいきん読むペースがおちてるなぁ……。
KASOCHIに来てからというもの、本屋に不便なので無駄に本を買うことが少なくなったのが遠因かな~。
いい本に巡りあいたいです。いつも。


4月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:4066ページ

死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)死にぞこないの青 (幻冬舎文庫)
★☆☆☆☆ クラスのなかでの標的になり孤立、というテーマはよくわかったけれど、いかんせん、悪意に満ちすぎている。小説としての出来、不出来でなく、この世界が生理的に嫌い。まじめで素直な主人公が、最後に強さを持って生まれ変わることには爽快感を得たけれど、カタルシスを得るにはいたらず。ただ、わたしが忘れていた『小学校高学年のころの気持ち』は見事に描き出されていた。このテーマでなければ、この主人公が好き。
読了日:04月28日 著者:乙一
夜のピクニック (新潮文庫)夜のピクニック (新潮文庫)
★★★★★ ――ただ歩くだけなのになんでこんなに特別なんだろう―― ほんとうにただ、歩いているだけの物語だったのに、どうしてこんなに心にしみわたるんだろう。ラストのあたり、まなうらが潤んで仕方ないかんじだった。学生時代に学校行事として夜通し歩く、という体験がある人は少ないと思うが、しかし、修学旅行、林間学校、その他の行事に自らの青春を重ねて、あの、青くて曖昧だったほんの短い時代を思い出したりしなかっただろうか。これは、わたしたちの物語。みんな、これに近い体験をして大人になった。どうして忘れてたんだろう。
読了日:04月25日 著者:恩田 陸
トロンプルイユの星トロンプルイユの星
★★★☆☆ 怖い。震えた。モチーフは小川洋子の『密やかな結晶』に類似。ただし、こちらはまきこまれる本人がそれに抗おうとしているぶん、必死さが伝わってきて恐怖をかんじた。表紙のかわいらしさと、出だしからしばらくまでのちょっと間延びしたOL描写で『単なるスイーツ小説か』と思ったのもつかの間。あっという間に引き込まれた。着地点がむなしい。だが、ハッピーエンドがなかったことで、繰り返す世界を何度も想像できる。
読了日:04月23日 著者:米田 夕歌里
花宵道中 (新潮文庫)花宵道中 (新潮文庫)
★★★★★ デビュー作からすでに宮木あや子は宮木あや子であった。単行本は既読であるが、文庫のおまけ小説が読みたかった。あらためて読み返すと、世界観の構築の仕方に驚かされる。世間の時代物に並べると、稚拙な表現が多々見られるものの、宮木ワールドに圧倒されて気づけばわたしも、名もなき遊女の一人になりきってこの本を読んでいる。追加の小説が良かった。流れゆく時代を見た女が、最後に選ぶのは、川の向こうか、こちら側か。なんと愛おしく切ない、人間の女の、夢と苦しみの物語か。
読了日:04月22日 著者:宮木 あや子
神様のカルテ 2神様のカルテ 2
★★★★☆ 現実では暗くて辛いニュースが多い昨今、こういう清冽な小説を読むと心が洗われる。登場人物すべての心根が気持ちよい。題材が題材ゆえに、死人が出るのも当然の物語。それら一つ一つはものすごく悲しい出来事なのに、その人の人生を尊敬して汲み取ってあるので、イヤな涙にはならない。続編、ということで、登場人物にもなじみが出て、その気安さもよかった。ブンガクとラノベの間にあるような、ライトな医療小説。とっつきやすさも魅力だ。
読了日:04月20日 著者:夏川 草介
放課後のウォークライ (宝島社文庫)放課後のウォークライ (宝島社文庫)
★★★☆☆ タイトルの『ウォークライ』がいまいち効果的に使われていなかったかんじ。真希ちゃんの不安はどこからきたものなのかとか、仮谷のスタンガンの意味とか、そういうものをきっちりと書いてくれないから読んだ後の深みがかんじられない。そもそも主人公の悩みである『彼氏からの子ども扱い』が解決されておらず、それを納得したわけでもなさそうで、それどうなったの? ってかんじ。読みやすい文体で、先生と生徒の恋愛で、距離感を保ったまま深追いしない友情、というのが携帯小説的。たまにはこういうライトな話もいいかな。
読了日:04月19日 著者:上原 小夜
「処女同盟」第三号「処女同盟」第三号
★★★★☆ 短編集。各話、小粒でキリっとしてて、読みやすい。女子のリアルな痛い系鬱屈青春話。表題作がのっけから痛かった。コミケでBLで同人誌で、どれだけ自分が楽しくても、それでもぬぐえぬ負け犬感。こんな子たち、本当にいそうで、リアルすぎて、目を背けたくなる。表紙がかわいいなぁ。さらりと読めて後に残らず。電車の待ち時間やふと空いた時間にちょこちょこ読めると思うので、エンタテインメントとしてかなりオススメ。
読了日:04月19日 著者:吉川 トリコ
短歌ください (ダ・ヴィンチブックス)短歌ください (ダ・ヴィンチブックス)
★★★★☆ 連載をたのしみに読んでいたけれど、美しい装丁の本になった歌に目を通すと、また新しい感動があじわえる。この日常に暮らす普通の人々の、すばらしい感性にただただ、感心。ほむらさんの『読み込む才能』もあらためて、すばらしい。いつかわたしもこの本に載ってみたいなあ。
読了日:04月17日 著者:穂村 弘
横道世之介横道世之介
★★★★★ 平凡、ちょっとヘタレ。でも彼女も出来たし、友だちもいる。どこにでもいる普通の男の子、上京したての19歳。事件も事故もなく、一年が過ぎてゆく。これだけ何ごともなく、流されるように生きるだけの世之介の一年なのに、見事、色鮮やかに描ききってある。平凡な人の平凡な行動が、かけがえもなく愛おしいと思わせられる小説。世之介が生きた一年。それから、二十年後。世之介と、世之介が関わった人々の、その後の話も胸にひびく。
読了日:04月16日 著者:吉田 修一
神様のカルテ神様のカルテ
★★★★☆癒し系医療小説。とても読みやすい文体で、なおかつ文字数も抑えられているのであっという間に読めてしまった。医療系にありがちな難しい問いとは無縁で、劣悪な労働条件で働く若い医師がたんたんと誠実に人の命に向きあっていく話。各エピソードがそれぞれ秀逸。できれば、もうすこしエピソードをふくらませて、長編小説として読みたかった。涙をこぼす、とまではいかないまでも、2,3カ所、涙腺があやうい場面もあったりして、読後感もひときわさわやか。各人の人柄が良すぎて嘘くさいけれど、だからこそ小説になり得たのだとおもう。
読了日:04月13日 著者:夏川 草介
春狂い春狂い
★★★★★桜の下で、数年かけて繰り広げられる、残酷で陰惨な物語。ひとりの美しすぎる少女が見た地獄を、微量のファンタジー要素を絡めて描いてある。架空の世界での物語を見せてくれるのが小説家の仕事だとしたら、宮木さんは見事、その責務を果たしたと言えるだろう。一度ざっと読んだあとは、じっくりと行間まで見据えるような気持ちで再読したい一冊。
読了日:04月11日 著者:宮木 あや子
僕らが旅にでる理由僕らが旅にでる理由
★★☆☆☆壊れちゃった現代っ子の再生の物語? メタファーにつぐメタファーが次から次にたちあらわれ、わけのわからない状態で展開。現実と妄想の世界を行ったり来たりして、中途半端な読み応えだった。世界観の構築のためか、文体が独特。これがわたしには凶と出た。しかし、最終章は良くできている。表紙は良い。再読はしないとおもう。ある意味、スイーツ(笑)小説。
読了日:04月05日 著者:唯野 未歩子
漂砂のうたう漂砂のうたう
★★★☆☆自らの身の置き場を『ここ』と決められぬまま漂うように生きる男が時代の変遷とともに、自らの存在と生き方を受けいれていく話。諦念にちかいけれど、それとは少し違う。関わった人々の清冽であったり下劣であったりの生き方をまのあたりにし自分が流されるようにかわっていくことを、いつのまにか肯定している希望の話であったように思います。暗くて重い舞台と人物設定のなか、ひときわ凜と輝く花魁の美しさが印象にのこる一冊。彼女が手にした自由とひきかえるように、眠るかのごとく死んでいったポン太のエピソードが胸にのこります。
読了日:04月04日 著者:木内 昇
天地明察天地明察
★★★★★ものを知ることへのわくわく感、見知らぬ天才への憧れ、淡い恋、羞恥と絶望、失意から立ち直る旅、堅実な暮らし、人間の喪失、理論の完成と崩壊、さらなる挑戦、手にした平穏…… 主人公の心情に沿って、自分までドキドキしたり涙ぐんだりしながら、彼とともに密度の濃い一生を駆け抜けた気がします。タイトルがいい。天地、明察。読み終わったのちあらためて表紙を眺め返すと、もう一度彼の人生を装丁になぞることができ、胸に爽やかさが満ちてきます。よい作品でした。
読了日:04月03日 著者:冲方 丁

読書メーター

20:05 [Comment:0]

祈ります

03 12 *2011 | にちじょう::ほんやまんがのこと

とんでもない規模の地震で、今、被災地からとおく離れた場所で錯綜する情報、報道を震えながらながめています。
みなさまご無事で。それ以外の言葉はでてきません。

今の感情をうまく言葉にすることができません。
自分のあり方が疑問です。
なにひとつできない無力さを呪ってみたりもしてみました。

そしてふと、本棚にある一冊の本を思い出しました。

今、このときのための一冊だったような気がします。信者乙ですが(わたしは激しい豊島信者です)今、地震の外にいて、どうしたらいいのかわからない人にこの本をすすめます(被害のさなかにいる人にはおすすめしません。災害というのは、こんなのんきなものじゃないというのはわかっているので)。
主に、震災被害にあった人の話です。14人分のストーリーがつまってます。超ショートストーリーが連続しているかんじです。
作者自身、このような地震被害に遭ったこともないでしょうし、あくまで小説、フィクションですが、ひとつの事象にたいして、誰もが同じ気持ちを持たなくてもいい、ということを気づかせてくれます。倦んだような話もありますし、希望のない話もあります。だけど、未来への話も。同じ被害にあっても、人はひとりずつ、違うことを思う。
今この地震を知る全員にひとつひとつの思いがあって、祈りがあると思います。この混乱に乗じてわるいことを考える人もふくめ。

この本を、ながめ返してみて、今、自分はこうでなくてはいけない、というマニュアルなんてないことを教えられました。
『心配してなくちゃ非人間だ』『助けられない自分は無力だ』『こんなときだからこそあぶりたい』『千葉テレビの余裕!』『自分や、自分の家族でなくてよかった』『遠く離れているから関係ない』――最後のふたつは不謹慎ですが、こうも思ってしまうのが人間です。でも、そう思いながらも、やっぱり、見知らぬ誰かの平和な日々が壊されたことに胸を痛めます。

わたしが今、わたしなりにやるべきことをかんがえました。
未来のいつか、もしもわたしが、今起こった災害規模と同程度のトラブルに巻き込まれたとき―― わたしが、その災害に無関係な人に望むこと。それを、わたしが今、実践しようとおもいます。
わたしがそのときに、して欲しいこと。して欲しくないこと。
それがなんなのかは、わたしだけのルールなので、ここでは明言しません。けど、ものすごく普遍的なこと。おそらく、8割~9割の人は、そうかんがえるであろうこと。
それをおこないながら、この事態の収束をのぞみます。

わけのわからないことを長々と無駄に書いてしまってすみません;

被災地のみなさまに、こころよりお見舞いを申し上げます。
そして、被災地外のみなさま、どうか、こころないことで被災者のみなさまを傷つけられるようなことのないようにと、自戒の意味も含め、ねがっています。

22:00 [Comment:0]

悪の教典がおもしろかった件について

01 12 *2011 | にちじょう::ほんやまんがのこと

はうっ……。ひさびさに大興奮中です~^^
今、年間二度恒例の、直木賞候補作読み潰し期間中です(文学賞マニアなわたくし)。そこで、貴志祐介の『悪の教典』を読んだわけですけど!

貴志 祐介
文藝春秋
発売日:2010-07-29

こないだやったゲーム、ダンガンロンパ並におもしろかったです^^

人がエンタテインメントに求めるものはいろいろあるとおもうんですけど、わたしの場合は『過程のおもしろさ』を重視します。よって、最後がしりきれとんぼであったり、きっちりエンディングを見せてくれなくても、途中がおもしろかったらかまわない、と、いいますか。

正直、貴志祐介ファンというほどではないので(新世界より、は本気おもしろかったけど)過剰な期待もなく読んだのもいいかもしれないです。この作家さんのファンだったら中二全開の世界構成にイラァってしたかもしれませんけど、わたしはむしろこの手の世界観が大好きなのでもうハフハフハフハフしました。っていうか、この本じたいがおもしろかったというより、このシチュエーションおよび設定がささたまのツボだったのでしょうか……。

ストーリーは、感情や同調能力に欠如した悪徳怜悧天才鬼畜殺人鬼淫行イケメン英語教師(ながいw)が好き勝手やってって、自分の世界を構成することに都合が悪い者をどんどん殺してって、さらには愛人にしていた教え子を夜の学校で自殺に見せかけて殺し、しまいにはその殺人に気づきかけた女子生徒を衝動で殺してしまって、その死体を隠したいがためその場で自らのクラスを全滅させようと思いつく、という中二話。話が始まった時点ですでに過去30人の人間を殺してきているみたいなミラクル設定^^

こういうの、わたしが、き ら い な わ け な い ^^

ストーリー性は上巻にのみあって、下巻はたんなる殺戮ゲーム系のテキスト。せっかくのよさそうなモチーフもいかしきれてないままラストを迎えるというかんじです。わざと稚拙にしたのかなと思えるほどご都合主義で殺人がおこなわれ、たんたんとリズム良く読めて、悪い意味でなく、ラノベとか携帯小説とか、そんな雰囲気を含有しています。
現代風だなぁ、という印象。
上下で800ページという重厚さはありますが、内容がライトなのでおそらく1,2日で読めると思います。
とにかく、娯楽小説としての気軽さ、みたいなのには事欠くことがなく、別に架空の世界には倫理観を求めないよお^^ っていう人にはめっちゃおすすめしたいかんじ! 

ただ、ものすごく面白かったですしめっちゃ推しですが、これが今期の『このミス』の一位だったことにはすこし疑問をかんじました。ミステリー好きってこういうの、推すかなぁ……? 『この中二小説がSUGOI!』とかの一位だったらめっちゃなっとくするんですけど…… 中二っていうのももちろん悪い意味ではないです。おとなが楽しめる中二世界って、ありそうでなかなかないですし……。

そんなわけで、もし、機会があったら読んでみてください。善人とか倫理観が強い人は読んじゃダメですけど。キーワードとしては、『くらきみ』『ダンガンロンパ』『バトルロワイヤル』『9時間9人9の扉』系がお好きな方にぜひ(ようは、現実から切り離された場所で、逃れることが不可能な状態にされて、人がどんどん死んでいく系)。
ひさびさにおすすめできるおもしろさでしたぁv^^v

14:26 [Comment:0]

5年前のバトン

11 13 *2010 | にちじょう::ほんやまんがのこと

リクエストがあったのでUPします。

2005年7月15日のまんがバトン

★今本棚に入ってる漫画の数★

200冊くらいかな。


★今おもしろい漫画★

・ワンピース
王道でしょう。空島でなかだるみだったのだけど、やっぱりイイ。

・ホムンクルス
大丈夫か。面白いが。

・エマ
えげれす!メイド!

・シュガシュガルーン
おかしと魔法とおしゃれとラブ。きらきらのおはなし。可愛いじょ。


★最後に買った漫画★

・ハンター×ハンター
・ワンピース


★よく読むまたは思い入れのある5冊の漫画★

・ピンクの雪が降ったら(多田かおる)
死ぬほど泣いた一作。いまも思うだけで泣ける。多田さん天才。

・Pink(岡崎京子)
今、36歳になったユミちゃんに、会いたい。

・エロマラ(やまだないと)
静かに死に向かう星。
エロに身をやつし、純潔に死ぬ。

・るきさん(高野文子)
るきさんのように、ひょうひょうと生きたい。

・ゆんぼくん(西原理恵子)
大の男がかあちゃんに会いたくて泣くのは、ヘンじゃないよ。
サイバラまじ天才。


天才が描くマンガが好きです。

以上。


だ、そうです。修正いれてません。
たいしておもしろくなくてすみません。
あと、改行激しくてすみません。

おもしろいものは(ある意味)おもしろすぎて、とてもじゃない、公開できません。ご了承下さい。

なぜ5冊のなかにはいからさんが通るを入れてないんだ…… それがなっとくいかない。エースをねらえ! も、ベルばらもはいってない…… なんでだ……

23:48 [Comment:0]

神子元せんせいに、似てる

04 16 *2010 | にちじょう::ほんやまんがのこと

雨ですねえ……。雨がかかるのがいやで外出していません。1Q84の3巻も買っていません。今回、なんではりきっているかっていうと、1Q84が発売されたとき、重くて荷物になるのが嫌で1巻しか買わないでいたんですよね。そしたら、いざ1巻だけ読み終わってみると2巻が品切れで買えなくなってしまったという……^^ だから3巻もダメなのかな~とか思ってたんですが、今回は平気そうですね。1,2巻の出数や予約からマーケティングも出来るでしょうから数に余裕があるのかな。そんなに急がなくてもいいのかも……

そんなわけで、昨日買った銭湯マンガを何度も読んでました。

ヤマザキマリ
エンターブレイン
発売日:2009-11-26

いやあ、ここ半年くらい『おもろっ』って言えるマンガもなく(楽しみにしている連載ものはのぞきます)マンガ的な欲求不満がたまってたんですが、久々にあたりです~^^ いや~なんともすごい発想。着眼点に目をみはるというか、まさかそこに笑いの種があったの!? っていう設定にマジツボでした。あーやっぱりマンガ大好き。

と、すっごいひさびさにマンガの話をしているわけですが……。も、もひとつささたま的おすすめを、ですね……。

うう。わたしが谷川厨なのを抜きにしても、ものすごくすばらしい作品です。
お嬢様学校、先生への思慕、親友との淡やかな百合、だけど主人公は庶民で普通の元気な女の子、という、ささたま的全ツボ^^
けっきょくオマエの趣味かよ、的なところはあるのですが、胸がきゅんとしてくすぐったくなって首をすくめたくなるような、春の風みたいな世界が内包された一冊です。
4話目は、号泣はしないまでも涙腺ゆるみます。鼻水でちゃう系。
なにひとつ刺激がない谷川世界がわたしはほんとうに大好き。
なんというか、ほんのり幸せになりたい人は絶対読んでまちがいなしです。

ちなみに、主人公の人はまだ、はっきりと『恋』って自覚していないんですが、ほのかに慕う相手は副担任の先生です。ふわふわしててやさしくてのんびりしてて白衣で癖毛で寝癖で丸メガネで新卒新任で、なんか、神子元せんせぇ(注:くらきみの攻略外キャラ)に似てる……^^ みこせんせぇが生きてちゃんと希望通り学校の先生になったらこんな人になったかもっておもったら、なんか胸がキュってなります。せんせぇ頑張ってね……(へんな方向に感情移入)

ああ、マンガっていいですね! やっぱりマンガは大好きです。日々、きゅんとしたりドキドキしたり笑ったり考えさせられたりです。はぁ。マンガ文化の発達した日本に生まれて神様に感謝します。

【おまけ画像】

昨日100きんでドールハウス用の白木家具を3つかってきました~。かわいい! なかなかよくできてます。

ファイル 339-1.jpg

段ボール2箱分くらいの食玩をもってたんですが、去年の暮れに大掃除でほとんど処分しちゃいました。
おしゃれなティーセットとかもってたのに、処分しちゃって……。テーブルにのっけられるようなものがなくて……
なので、しかたなくカップめん^^ まるでささたまのランチタイムのよう^^ てへっ^^

19:32 [Comment:0]