6月は後半にぽっかりと『なにも読みたくない病』がやってきてこまりました……。図書館で借りてきた本にも手をつけず。
すごく待ってた本だったので、どうにか読まないととはおもいつつも、なんか今、カツジなきぶんじゃありません。
そんななか、7月のおたのしみは、『文芸あねもね』
若手女流作家さんたちのアンソロ同人誌です。
そして同人誌とはいえ、豊島ミホが2年ぶりに復活です復活です復活です;;
おれのなかでは超祭。
みほ! みほ! (とびはね)
豊島ミホふっかつのニュースを聞いて、ガチ涙ぐみましたもの……。すき。
恋愛ごっこもすごいらしいけど(まだ未読だからなんともいえない)(手元にはある)、文芸あねもねマジすごすぎる思います。
しかもアレです。
『全 額 寄 付』
ん? あねもねのまえにも、某あんそろでこういう話ちょっと聞いたことあるような^^
ま、それはさておき。
創作の力で、にっぽんに火を灯す。創作を欲する力で、にっぽんに火を灯す。
自分にできることで、ちからになる。すばらしいことだとおもいます。
なぁ、おれら、暗いニュースを連日見て、きいて、4ヶ月前、絶望のなかにいなかったか? そして、今も絶望のなかに置き去りにされてる人もいる。
でも、ちょっとずつ力取り戻しつつある。
今からもお金はいるから!!
だから、みんなあねもねを買おう。きっとおもしろいです。
それから某あんそろも買おう。きっとおもしろいです。
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6月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3697ページ
光待つ場所へ
★★☆☆☆ 初辻村作品。スピンオフものだったのかと驚いたけれど、元の作品を知っていたとしても評価はしないだろう。この人の書き方が苦手なのか、誰が重要人物なのかわかりにくい。ただ、自意識過剰でしんどい思いをしている人間の心理はとてもよくあらわされていた。こういう部分がある自分としては、目を背けたくなる部分も多々。おおむね評価が良いようなので、この作家の作品をほかにも読んでみようとは思う。時間があれば。
読了日:06月27日 著者:辻村 深月
さよならドビュッシー
★★★★☆ なるほど! 最初からずっと感じていた違和感はここにつながったのか。思わず膝を打った。フタをあけてみればどうしてこれに気づかなかったのだろうというくらい単純明快な古典的オチ。しかしここに気づかなかったのは一人の少女の成長譚に夢中になってしまったからだ。あと、文章のなかから音が立ち上がってくるようなリアリティを見せられた。小説は嘘の世界だからこそ、よりリアルに感じるのだとあらためて実感。つっこめばいくらでもつっこめるが、世界観に圧倒された。ラストは切なくて、それでも爽快だった。
読了日:06月27日 著者:中山 七里
小さいおうち
★★★★☆ 読み終えたあとこの表紙をながめかえすと、胸のうちに、あの瑞々しくまぶしい時代が蘇る。小さいおうちで紡がれた宝物みたいな日々が、この丸い窓のなかに集約され、凝縮され、幸せは永遠に一枚の絵のなかに閉じ込められたのだ。丸窓のなかで寄り添い手をつなぐ二人の関係や、主人公の思慕に名前をつけてはならない。時代をかさね、人が去り、人が人を忘れ、風化しそうな戦争の時代をあとの人が物語のように感じるときが来ても、この人たちが生きた幸せな時代はたしかに存在したのだ。よい話だった。
読了日:06月24日 著者:中島 京子
ビロウな話で恐縮です日記
★★★☆☆ 掛け値なしにおもしろかった。モノカキというのは、たんなるブログ記事さえも売り物にできるレベルなのか、と感嘆した。とことんBL属性がない自分ですら、三浦さんが説得力じゅうぶんに語るBLまんがや小説はぜひ、読んでみたいと思ったし、既読の漫画作品の所感を読めば『まさにわたしもそう思ってた!』と膝を打ちたくなった。日常も愉快だ。モノカキの柔らかい視点と、小出しの赤裸々感が好ましく、あっという間に読み終えた。三浦さんのエッセイも読んでみようとおもう。
読了日:06月17日 著者:三浦 しをん
わたしの彼氏
★★★★☆ ゆるくてもぼんやりしててもかまわない。『ただしイケメンに限る』。4人きょうだい、末っ子だけ男子、そしてイケメンだったら、主人公鮎太郎のような人間ができあがるのだろう。悪意がなく、主張せず、女の人にはぜったい服従。だから、悪いオンナがどんどん寄ってくる。彼はこれからも、いろんな女の彼氏になりつづけるのだろう。『わたしの彼氏』は、わたし(ささたま)自身の彼氏でもある。鮎太郎は、どんな女の彼氏にもなってくれるのだ。女たちの傍若無人な振る舞いにはイライラしたが、好みの物語だった。
読了日:06月15日 著者:青山 七恵
タイニーストーリーズ
★★★☆☆ アドベントカレンダーみたいな一冊。21のちっさいお話は、どれもこれも違った味で、どんな味のお菓子が出るかはあけてみるまでわからない。一ヶ月に4本の短編という偉業にチャレンジして出来上がった一冊だそう。めまぐるしく変わるテンポやトーンに落ち着きのなさをかんじはしたけれど、これをひとりの作家がやっていることかと考えたらソラおそろしくなった。ただし、エイミーポンポコリーノ系(@岡崎京子)のストーリーにはやはりなじめない。あと、アメリカンすぎる食べ物描写も、ちょっと合わなかったかな。
読了日:06月12日 著者:山田 詠美
花の鎖
★★★☆☆ ちょうど半分まで読んだところで花の鎖たちはつながった。あざなう縄のように、たったひとつの点に向かってゆく物語。しかし、どう展開していくのか予測もつかず、六章にて話が終点に到達したときにはため息がでた。花の鎖は、けっきょくK家の自己満足の償いに付き合わされただけだったのか。そのなかにあって、凜と生み、育てた母の強さはすばらしい。願わくば『花』が、彼女らのように強く凛々しく世のなかをわたってゆけますように……。今度は母たちのような因縁なく、彼女たちのぶんまでも幸せな日々を過ごせますように。
読了日:06月10日 著者:湊 かなえ
和菓子のアン
★★★☆☆ ほっこり平和なプチミステリー。ちょっと太めのアンちゃんが選んだバイト先はデパ地下高級和菓子店。個性的な上司、同僚、はたまたお客様たち。のんびりほっこりまったりと過ぎる、1年のお話。お菓子に秘められたいろいろの思惑や謎かけをも楽しかった。両手放しで『いい!』とは言わないけれど、たまにはこんなスイーツなお話も悪くない。主人公のアンちゃんがさっぱり系のぽっちゃりっこで可愛かった。話を楽しむと言うより、キャラを楽しんだってかんじだった。あと、お仕事がんばりたい気持ちにもなった!
読了日:06月09日 著者:坂木 司
東京日記3 ナマズの幸運。
★★★★☆ ほんとうのことを書けば嘘におもえる。嘘を書けば、まことに思える。不思議な不思議なカワカミさんの日常。この人の目線が好きだ。少女のように道ばたに目を留めたかとおもうと、80を越えた老女のように空を見上げる。51歳(執筆当時)という年齢をまったく意識させないやわらかい語り口。自分もいつか、こういう日記を書いてみたいと思わせられる。読書メーターを始める前によんだ『機嫌のいい犬』という俳句集もひじょうによかった。こんな目をもって世の中をみたら、どう見えるのだろう。きっと、世界はふしぎできれいだ。
読了日:06月08日 著者:川上 弘美
モップの精と二匹のアルマジロ (ジョイ・ノベルス)
★★☆☆☆ ある程度は展開が読める(疑わしき人が抱えていた問題までもはわからなかったにしろ)ライトなミステリー。ストーリー性重視で、ミステリー部分はツメが甘い。だけど、これはこれでいいと思う。
読了日:06月07日 著者:近藤 史恵
薔薇を拒む
★★★★☆ 世間から孤立しきったような館で、世間から孤立しきったような人たちが身を寄せ合うように過ごす数ヶ月の話。ミステリーとして評価すれば、犯人や動機はありきたりであっけないと思わせられたが、そこに到達するまでのストーリーが抜群だ。主人公が最後に手に入れた幸福を考えると、とびきり切なくて恐ろしい。主人公はなにひとつ悪くなかった。誠実に生きた。なのにそこはかとなく感じる恐怖はなんなのだろう。彼は紙一重で、狂っている。
読了日:06月04日 著者:近藤 史恵
乙女の密告
★★★☆☆ 京都の外語大で繰り広げられる、時代レスな『乙女たち』の物語。京都という街がもつ、特有の閉塞感と、アンネの日記のイメージがよくつながった。『乙女として振る舞わなければならない。なぜなら、わたしは乙女であるから、乙女でなければならないのだ』がんじがらめの自意識のなか、他者が自分に烙印をおす。『この人は乙女にあるまじき行為をはたらいた』密告者が振りまいた身に覚えのない噂のなか、みずからの潔白を証明できるのか否か。個性的な人々のなかで揉まれながら、彼女は、乙女としてきっぱりと、自立したのであった。
読了日:06月03日 著者:赤染 晶子
放課後はミステリーとともに
★☆☆☆☆ キャラ設定が謎ディナよりマシだったので★一個つけた。でもボクっこがいいわけでもない。あいかわらず、事件の全貌、および動機が第三者の憶測によって語られるスタイルで、小学生向けのなぞなぞ本っぽさはかわらず。最後のあたりは退屈で、まじめに読み込まなかった。この人の小説スタイルは、わたしには合わないようだ。もしかして、こういうスタイルはこの2作だけ? ほかのものも読んでみるべきだろうか?
読了日:06月02日 著者:東川 篤哉
読書メーター