■企画モノ■
読んでいただく前に説明しますと、こちらは先日、リンク先の『マヨナカメガネ』さんでおこなわれた、
『創作チャット』内にて作成したテキストです。氷上サイトで直球若主というKYっぷりw 格のい、どころか、『きへん』の木すら出てきていません。
その『創作チャット』とは、参加者のみなさんで気軽におしゃべりしながら、絵や文章をかいてみましょう、というすごいチャットでして。
おしゃべりの合間に細かく投下していったものなので、もうむちゃくちゃです・笑
そんで、わたしが選んだお題が【白衣】。白衣へのむちゃぶりにご注目ください・笑
あとは、後半クライマックス部分での『禁じ手』の使用に関しては、寛大にご容赦いただけるとありがたい。
みんながみてるまえでえろいことかけねーですwww それなんて視姦プレイw
それよりもねむかったんだ! たぶん、あのへん午前3時とかですよ?
最終UPはわすれもしない、午前4時10分ごろでした。
それから、ぜひご注目いただきたいのが、レスのテーブルの右下にある[12]とかの数字。
投下と投下の間に、作品投下や、レスがあったわけです。
最終番号が[95]ということを考えていただくと、どれだけ盛り上がったかがわかっていただけると思います。
ぐっだぐだいいわけもしたくなるおとめごころをご理解くださいw
あちらでの作品公開にさきがけて、ものすごくはずかしいけど、覚悟してさらします!
すこしでも場の雰囲気をお楽しみいただければ幸いです。
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『さ』
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+++選んだお題は【白衣】でした。R指定なしです。行為はありますが、朝ちゅんレベルです。しかしこれだけは言っとく。とある部分で、えぇぇぇぇ!? ってなるかもしれませんが、読んでる最中に怒らないようにしてください。修正ついでにタイトルもつけてみました+++
■卒業まえ■
サエキテルに、振られた。 目の前がまっくらになった。あれだけ仲良くしておいて、あれだけ出かけておいて、あれだけ思わせぶり、しておいて。 二月になったとたん、風の強い、寒い渚で、自分の言いたいことだけ言って、とっとと消えてしまった。 ――卒業の日は、あの灯台で。 ふたりの恋を実らせる、予定じゃなかったの、ねぇ、瑛くん。 問いかけても、問いかけても、珊瑚礁の青い屋根も、岬の白い灯台も、なにひとつ、こたえてくれはしなかった。
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[12]
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『さ』
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こたえてくれたのは、若王子先生だった。 「ふにゃあ〜」 「こらこら、しっかりしてください」 あの日以来、すべてがめんどうくさくなって、なにひとつ、する気が起きない。 すでに自由登校である学校にこうして足繁く通うのは、家にいると、もんもんと二人の日々を思いだしてばかりで、イヤになるからだ。
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[20]
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『さ』
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「コーヒー、淹れましたよ。どうぞ」 化学室の実験机のつめたい黒い天板に頬を押しつけたままにしていると、先生が後ろに回って、脇の下に手を入れて、よいしょ、っとかけ声をかけながら、抱き起こしてくれた。 「せーくーはーらー」 「はいはい。なんとでも言ってください」 ちかん教師、エロ教師。わたしは、ぐずぐず言いながらも、ビーカーに入ったコーヒーをひとくち、のんだ。 「おいしい」 「でしょ。いやなことがあったって、コーヒーはおいしいし、受験はやってくるし、先生は、エロかっこいい、違う?」 「わけ、わかんない」 「あはは」 だけど、先生とのこのやりとりに、心が救わわれているのは、ほんとうのことだ。
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[45]
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『さ』
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「あーあ、先生にしておけば、よかったかもー」 「はは。じゃあ、しとく?」 「しとこうかな」 「しなさい」 「……え?」 急に、先生の顔から、笑顔が消えた。 ひゅう、と音がして、風が窓を叩いた。サッシにわずかな隙間があったのだろうか。カーテンが、かすかにゆれた。
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[84]
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『さ』
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あの日も風が、つよかった。二年前の、遊覧船の上だった。 「先生、どこか、行っちゃうんですか?」 そう聞いたわたしに、先生は薄く笑った。 「今は、行きませんよ。大事な生徒がいるから。安心した?」 安心なんてしなかったけれど。でも、ただの生徒であるわたしに、それ以上、なにを言えただろうか。 ――でも、あのとき。 「おい、行くぞ」 そう、瑛くんに声を掛けられなかったなら、もしかして、わたしは、言っていたのかもしれない。 『ねぇ、先生。わたしたちが卒業しても、先生はずっと、ずっと、ここにいて』
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[88]
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『さ』
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すきまから入った冷たい風は床に落ちて、わたしの足もとをじんと冷やした。 「……でも、先生。先生も、行っちゃうんでしょ、遠くに」 先生は、静かな声で言った。 「行かないよ」 わたしは、その先生の口調のあまりの穏やかさにカッとなった。あの日の不安を、否定されたような気持ちになったのだ。 「……だから、わたし、先生はやめたのに」 気づけば、言わないつもりだったことまで、引き出されていた。 「なに?」 「だから、あのときやめたの! 卒業したら、どっか行くことがわかってる人を好きになるなんて、つらいから! だから、瑛くんに、したのに……。だけど、瑛くんもいなくなっちゃった。全部、先生のせいなの! 先生が、あんなこと、言わなければ!」 わたしが叫ぶように言うと、先生は、わたしをすっと抱きよせた。そして、やわらかい力で、わたしの髪を、背を、撫でた。 「そうなの、ごめんね。でも、もう、決めました。僕は、逃げない。佐伯くんみたいに、君を一人にしたりしない」
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[91]
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『さ』
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「……本当に?」 「本当だ」 「うそ」 「先生は大人だから、嘘も時々言いますが、今言ってることは、本当。信じて」 先生の瞳をまっすぐに、見た。それでもまだ、この人の瞳は、わたしを透かして、灯台の向こうを見ていた。
そのとき、化学室の扉が叩かれた。 「はい、どうぞ」 先生の返事に促されてはいってきたのは、年配の用務員の人だった。 その人は、わたしがここにいることには、まったくもって無関心そうに、先生にだけ向かって事務的な口調で話した。 「これ、来年分の、先生の白衣。支給、二枚。先生、ここに印鑑もらえます?」 先生が、すこしくたびれた白衣のポケットの中をさぐりはじめた。 印鑑を探しているのだろう。 (机の上に置きっぱなしとか、ない?) そう思ったわたしは、先生の作業机の上に視線を滑らせた。 散らかった机の上には、印鑑はなかったけれど、たくさんの付箋が貼られている来年度一年生の指導要項が置かれていた。 ふたたび、先生を見た。 無事、ポケットから印鑑を見つけ出し、背をかがめて、受け取りの印を押している。 それを見てわたしは、この人に、来年があることを、信じてもいいのかも、と思った。たとえ、一年でも。いや、半年でも。 せめて、瑛くんを、わすれられるときまで。
「や。ポケットにはいろいろ入ってるから、手間取りました。印鑑なんて小さいから、なかなか見つからなくて」 「……信じる」 「え?」 「わたし、先生を信じる」 わたしが言うと、先生はゆっくり穏やかにほほえんだ。 「うん。じゃあ、キスしよう?」 「ええっ」 「びっくりした? 先生は大人だから(以下略)」
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[92]
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『さ』
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「……もう、先生。びっくりさせすぎ……」 「すごかったでしょ? でもさっき君が言ったんですよ? エロ教師、って。ね、痛かった?」 「いた、かった、けど」 「けど?」 「……もう」
――大人の男のひとのからだは、子どもの恋を忘れさせてくれるだろうか。
化学準備室の窓からは、遠く、羽が崎の灯台がちらりと見える。 冬の平らな空の下にそびえる灯台は、うすく、灰の色をうつしていた。 「ねぇ、卒業の日は、ここで二人で、焼き肉をしましょう。ほら、年賀状に書いてたでしょう? 実践しましょう」 先生が、わたしの髪にくちづけながら、やさしく言った。 たぶん、わたしの心をこの人は知っている。 高校生活最後の日、わたしが灯台に、瑛くんがほんとうに来ないかどうかをたしかめに行こうとしていることを。 わたしはたずねた。 「先生、瑛くん、もうぜったいはばたき市には戻ってこない?」 「こないよ」 先生は、まるで10年も前から答えを用意していたかのように、わたしの問いに、きっぱりと答えた。
――大人はときどき、嘘を言うって、先生さっき、確かに言った。 「……わかった。先生。わたし、ここで卒業の日、焼き肉します」 つい、いましがた、わたしを、大人にしてしまったのは、先生だ。わたしにだって、嘘くらいつける。
ほんとうは、先生も、まだ海の向こうを見ている。 瑛くんは、きっと、灯台の約束を、忘れていない。
じゃあ、わたしは? まだ、ゆれる。卒業、まえ。
おわり
***懺悔します***
あまりにも言葉不足だったところだけ、加筆しちゃいました。 ほんとうはライブ感をだすために、へろへろのまんまのほうがおもしろいとおもったんですけど。 話の筋はかわってませんし、訂正もしていません。 ただ、ところどころで加筆しただけです。 よってへんな言葉遣いとかはそのまま、たのしんでいただけると思います。
次回があれば、あらかじめ小ネタを考えて仕込んでから来ます! 今回はどうにかなると思って、布の服にこん棒(一レス目は用意してきた。それにお題のネタをからめようと思った)でやってきてどうにもならんかった・笑
でも、なかもりさんたのしかったです。ありがとう〜! それでは〜!
「さ」
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『さ』